「アイデア」というものは、クリエイティブな仕事をする人はもちろんのこと、日常生活を送る上でも非常に大事な存在です。
「ふとした瞬間に思いついたことで作業の効率が上がった」という経験は誰しもあると思います。
アイデアが降りてくれば降りてくるほど自分の人生も豊かになると言っても過言ではないでしょう。
とは言え、アイデアが好きなタイミングですぐに降りてくるかと言われるとそうではありません。
アイデアには降りて来やすい環境や瞬間というものがあります。
今回はそれについて詳しくお話しします。
・そもそもの話、アイデアは「既存のモノと既存のモノの組み合わせ」でしかない
「アイデアが降りて来やすい環境や瞬間」を知る前に、まずは「アイデア」とは一体何なのかを深掘りすることから始めたいと思います。
結論から言うと、見出しにも書いてある通り”アイデア”とは「既存のモノと既存のモノの組み合わせ」でしかないです。
つまり、ゼロからアイデアを生み出せるなんてことはないということです。
例えば、今お使いのスマートフォン。
Appleの創業者スティーブ・ジョブズは、iPhone発売時の製品発表会で「iPhoneは、iPod・携帯電話・インターネット機器をひとつの機械に収めた製品である」と話しています。
つまりiPhoneは、既存のモノ(iPod)と既存のモノ(携帯電話)と既存のモノ(インターネット機器)の組み合わせだということです。
また、ショッピングサイトのAmazonは、既存のモノ(お買い物)と既存のモノ(インターネット)の組み合わせであると言えますし、
動画配信サービスのNetflixも、既存のモノ(レンタルDVD)と既存のモノ(サブスクリプション)の組み合わせであると言えます。
どんなに画期的なサービスも、結局は既存と既存の組み合わせでしかないのです。
・「アイデアが降りて来やすい環境や瞬間」とは?
“アイデア”そのものを知ったところで、いよいよアイデアが降りて来やすい環境や瞬間について解説していきます。
中国の学者・欧陽脩(1007〜1072)が残した言葉の中に「良い文章を考えるには三上が適している」という言葉があります。
三上とは、馬上・枕上・厠上のことを表します。
馬上は馬の上、今で言うと車や電車で移動している瞬間のこと。
枕上は枕の上、つまりベッドで横になってる瞬間のこと。
厠上は厠の上、つまりトイレをしている瞬間のこと。
ざっくり言うと「ふとした瞬間にアイデアは降ってくる」ということですね。
逆に、「アイデアを生み出そう!」と意識的に頑張ってもアイデアは降ってこないと表すことも出来ます。
・常にメモ帳を持ち歩こう
ふとした瞬間にアイデアは降ってくる、その瞬間を逃さないために大事なのは、「常にアイデアを記録できるものを持ち歩く」ということです。
現代では、メモする時にスマートフォンを使ってる人も多いと思いますが、アイデアを記録する際は紙のメモ帳の方が比較的良いとされています。
理由は2つあります。
まず一つ目が「紙のメモ帳の方がサッと取り出してスッと書き出せる」ということです。
スマートフォンのメモ帳も使い方次第では効率的にメモをすることができますが、ロック解除をしなくちゃいけなかったり、別のアプリの通知に目が入ってしまったり、いろんな邪魔を潜り抜けなければいけません。
また、いろんな邪魔を潜り抜けたはいいものの、肝心なメモするアイデアを忘れてしまったなんていうこともあるかもしれません。
忍耐強い人ならそんな状況でもメモ帳に辿り着くことができますが、どうしても別のアプリが気になってしまうという人も多いのではないでしょうか。
その点アナログのメモ帳は、機能が「書くこと」しかないので邪魔者がほとんどいないというのが利点です。
メモを開いてペンを持つだけでアイデアを記録することができるので、「メモすることを忘れてしまった」なんていうこともありません。
そして、二つ目の理由は、「紙のメモ帳の方が後で思い出しやすい」という点です。
人は「手を動かすことによって脳が活性化し、記憶が定着する」と言われています。
試験勉強で何かを暗記しなければいけない時にひたすら書いて覚えた経験がある人も多いと思いますが、あれは「手を動かす」という作業がとても大事なのです。
「スマホのフリック入力も手を動かしてるからいいのでは?」と思った方もいるかもしれません。
ですがやはり、スマホのフリック入力で書いた機械的な文字よりも、自分の手で書いた人間的な文字の方が記憶に残りやすいのです。
・最後に
AIに仕事を奪われるなんて言うニュースもありますが、やはり「発想力」という点においてはまだまだ人間の方が優れています。
発想力を最大限に発揮するには、「どの環境なら最大限に発揮できるか」「どのツールなら発揮できるか」ということを知っておくことが大事だと思います。
今回の記事で、ちょっとでも知っていただけたなら幸いです。